解体通信
新解体 第022号(2019.01)
総務情報委員会
皆様、新年あけましておめでとうございます。旧年中は当協会に対しまして格別なる御引き立てを改めて賜り厚く御礼を申し上げます。本年も何卒、宜しくお願い申し上げます。
さて、本年は「平成」から新しい元号へと切り替わることはもとより、4月には働き方改革関連法案の施行や10月には消費税の増税など経営やビジネスを取り巻く環境が大きく変化することが予想されております。このような中、今回は少し視点を変え我が解体業界に大きく影響するであろう新たな法整備の動き・変化を記事を添えてご紹介させて頂きます。
「自治体の業務拡大が焦点 建物解体時の石綿飛散防止:環境省」
出展「日刊 建設工業新聞2018/11/17 (㈱北陸工業新聞社)」
環境省は、建築物の解体、改修の際の石綿飛散防止規制の見直し作業を始めた。石綿の飛散性が比較的低い成形板などを使った建築物の解体作業も新たに規制対象とすることを検討しており、大気汚染防止法の事務を担う自治体の業務がどれだけ拡大するかが焦点になりそうだ。
石綿を含む建材は、粉じんが飛散するリスクによってレベル1~3に分類される。耐火、断熱材として石綿が吹き付けられるなどして多量に使用されているレベル1と2の建材は、解体に当たっては現在でも自治体に届け出る必要がある。これに加え、床のタイルやスレート屋根に使われている比較的飛散リスクの低いレベル3建材も、解体の際に石綿が少量でも飛散する可能性があるとして規制の強化が検討されている。
ただ、石綿を含む建材の出荷量のうち、レベル3が占める量が圧倒的に多く、全体の約96%を占める。レベル3建材すべてに届け出を義務付ければ、監督する自治体の事務作業が膨大になるため、中央環境審議会の小委員会が対象となる建材を絞り込むかどうかを検討している。
レベル3建材に含まれる石綿は、散水しながら丁寧に解体すれば、それほど飛散しない。このため、規制強化では解体方法や工事の規模などによって、対象を絞り込むべきだという意見が出ている。
一方で、総務省が2016年に実施した行政評価・監視調査では、散水などの作業実施基準が順守されず、周辺にいた人がほこりを浴びた事例が指摘された。環境省は事態を把握した上で、飛散リスクを最小限に抑える対策を講じる。
一部の自治体では既に、建築物の床面積や、石綿を含む成形板の使用面積が一定以上の解体工事について、条例で必要な規制を行っている。こうした規制についても参考に、全国一律の規制を検討する。19年秋ごろまでに結論を出し、法改正が必要になれば大気汚染防止法改正案を20年の通常国会にも提出したい考えだ。
以上
要するに、非飛散性アスベスト建材(レベル3)の撤去においても届出を義務化する法整備の検討をしているという事です。仮にこの法整備が現実となれば文中にもある通りに膨大な対象物に対しての自治体の管理業務の増大と民間業者の解体・改修における現地調査や申請業務に更なる時間と費用、そして人員が必要となるため、業界全体を巻き込んだ大きな枠組みでの対応策が必要になると考えられます。