解体通信
新解体 第009号(2017.12)
総務情報委員会
寒さもひとしお身にしみるころ、皆様いかがお過ごしでしょうか。
既に周知されていることとは思いますが、水銀廃棄物の処理について、産業廃棄物処理法施行令および施行規則が改正され、平成29年10月1日から施行されました。この改正によって水銀使用製品産業廃棄物の処理基準・保管基準が定められるとともに、水銀使用製品が含まれる産業廃棄物を処理委託する場合には、その旨及びその数量を委託契約書及びマニフェストに記載することが義務づけられました。
さて、今回は解体工事における水銀廃棄物の追加される主な基準とマニフェスト・委託契約書の記載方法について述べます。
水銀産業廃棄物とは環境省令で定められている蛍光ランプ等水銀使用製品が廃棄物となったものです。
- 処理の委託については、水銀使用製品産業廃棄物の収集運搬許可業者、処分業許可業者に委託する。
- 保管場所について、水銀使用製品産業廃棄物と他の物が混合するおそれのないように、仕切りを設ける等必要な措置を講ずる。掲示板の産業廃棄物の種類欄に水銀使用製品産業廃棄物が含まれる旨を明記する。
- 収集運搬時には破砕しないように取扱い、ドラム缶、専用容器等を使用し他の廃棄物と区分する。
- 改訂前の建設廃棄物処理委託契約書を使用する場合の記入方法について
- 1ページ目の「収集運搬会社(乙)」、「処分会社(丙)」のそれぞれの許可品目に、「水銀使用製品産業廃棄物(ガラスくず、コンクリートくず及び、陶磁器くず、廃プラスチック類、その他( ))」を記載し〇を付ける。
- 2ページ目の「4.積替・保管場所経由の有無」の中で「a施設の内容」の許可品目に「水銀使用製品産業廃棄物(ガラスくず、コンクリートくず及び、陶磁器くず、廃プラスチック類、その他( ))」を記載し〇を付ける。
- 2ページ目の「5.廃棄物の種類・数量・契約単価及び処分会社(丙)の許可内容」の中にあるその他の欄に「水銀使用製品産業廃棄物」と記載し数量、単価等を明記する。
- 改訂前のマニフェストを使用する場合の記入方法について
(1)建設系マニフェストの場合
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- 産業廃棄物の種類「04ガラス・陶磁器くず」「06金属くず」に○印を記入(数量は記載しない)自治体によっては「05廃プラスチック類」等にも該当する場合があるので確認すること。
- 管理型品目欄「17石綿含有産業廃棄物」の下の空欄に「水銀使用製品産業廃棄物」を追記し、数量を記入する。(文字の大きさは8ポイント以上必要なため2行必要)
- 形状には「1.固形状」に〇を記入する。
- 荷姿には使用している容器に従い「3.ドラム缶」もしくは「専用容器」等を空欄に記入する。
- 追加記載事項欄に具体名等を記入する。(例 蛍光ランプ ドラム缶10個)
(2)産業廃棄物管理票の場合
「水銀使用製品産業廃棄物」が含まれる場合は、「種類(普通の産業廃棄物)」の欄、もしくは、「備考・通信欄」にその旨を記載し、数量を「数量(及び単位)」に記載する。
マニフェストの記載内容については信頼性の担保を図るため、「現行:6か月以下の懲役又は50 万円以下の罰金」から「改正後:1年以下の懲役又は 100 万円以下の罰金」とマニフェストの虚偽記載等に関する罰則を強化する法改正が平成29年6月16日に公布され、公布日から3年以内に施行されることになっており、引き続き分別解体及び廃棄物の適正処理に努めなければなりません。